【在宅介護の現状】トイレ介助と入浴介助の介護負担を改善

こんにちは、介護福祉士のうまです。今日は在宅介護について考えてみようと思います。

もし夫や妻が、または親が突然の事故や病気で倒れ介護が必要になったらどうしますか、

おそらくすぐに施設に入れようと思う人は少ないのではないでしょうか。できるところまでは住み慣れた自宅で面倒を見たいと思う方が多いと思います。

家族を家で介護したいと思う気持ちはとても素晴らしいことです。しかしその責任感が介護者を身体的にも、精神的にも追い詰めてしまっている現実があります。

私も学生の頃に祖母の介護を経験しました。祖母は認知症だったのですが、両親が共働きだったのでどちらも仕事が休めない時は、兄妹で学校を休んで祖母を介護したこともありました。

忙しい両親に代わり私たち兄妹を面倒見てくれた祖母だったので、施設に入れるという選択肢はありませんでした。大好きだった祖母が認知症で何も分からなくなり、徘徊をし、歩きながらお漏らしをし、変わっていく姿を見るのは精神的に大変でした。

介護の経験がなく、全部が手探りだったので今思えば、もっとこうしておけば…と思うことがたくさんあります。

実際に経験した人でしか分からない大変さが『在宅介護』です。

現在在宅介護をされていている方、「まだ大丈夫」と思っていませんか?一番身近な存在である家族の介護をしていて悩みのない人はいないし、一人で悩まれている方もいると思います。

介護士の目線で今の在宅介護の現状を少しでも変えられるお手伝いができたらと思います。

在宅介護の現状

現在日本では核家族化や少子化が進み、介護者の高齢化に伴う介護力の低下が大きな社会問題になっています。自宅で介護をしている関係性で一番多いのが、配偶者の介護、次に親の介護です。

グラフで見てもわかるように、60歳以上の介護者が約7割になっています。

お互いに高齢になった夫婦や、もう若いとは言えない家族が親の介護をするのは身体的に相当負担になります。また要介護度が高く認知症を患った配偶者や親の介護はまた一層酷さが増します。

在宅介護は24時間気を緩めることが出来ないため、介護をする期間が長くなればなるほど介護者の負担が増し、さらに一人で頑張らなくてはと思うあまり、誰にも相談できず一人で負担を抱え込み孤立化してしまう場合もあります。

「こんなことで?」「まだウチは大丈夫だから」と思わず、まずは一度市町村の介護保険の担当窓口や地域包括センターに相談してみてください。

また公的な機関だけでなく社会福祉法人、医療法人、NPO法人、ボランティア団体、一般企業など、さまざまなところが介護についての相談を受け付けています。

家族の問題なだけになかなか相談しづらい方や、実際に行くのが難しい場合は電話相談もやっています。意外なきっかけで今の現状を少しでも変えられるかもしれません。

介護者の負担・不安

在宅介護をしていく上で、介護者にはどういったことが負担、または不安になっているのでしょうか。

  • 夜間の排泄介助
  • 入浴介助
  • 屋内の移乗
  • 認知症への対応
  • 見守り

などが主に挙げられてくると思います。

今回は「トイレ介助」「入浴介助」の負担の改善策をご紹介していきたいと思います。

【夜間のトイレ介助】における介護者の負担と改善策

在宅介護をする中で、身体的にも精神的にも特に負担になるのが『夜間のトイレ介護』です。

夜に何度も起こされから睡眠不足に…

トイレに間に合わなくて漏らしてしまうと着替えや片付けが大変。

オムツをしてくれないから毎回トイレまで介助しないといけない…

通常は朝までぐっすり眠ることが精神的にも健康的にも良いとされていますが、夜間のトイレ介助が頻回になると介護者が睡眠不足になり、精神的にも身体的にも大きな負担になります。

さらに認知症を伴っている場合はさらに介護者は大変な状況になります。30分置き、一時間置きに呼ばれ起きなくてはいけない状況が続くと、最悪健康を損ない介護者の方が倒れてしまうことになるかもしれません。

夜間頻尿の原因はさまざまですが、主に以下があげられます。

  • 身体機能の低下
  • 認知機能の低下
  • 服薬が原因

ではどうやってこの現状を改善していくことができるでしょうか。

改善策

介護用品
  • トイレまでの距離が遠い場合は、夜間だけでも簡易ポータブルトイレや尿瓶を使う
  • 夜間のみ吸水容量の大きいおむつや敷きパッドや吸水シーツなどを使う
生活
  • 夕方以降の水分摂取の調整、カフェインやアルコールを控える
  • 排尿記録をつけ、トイレ誘導、オムツ交換のタイミングをつかむ
  • 服薬している薬に副作用がないか医師に確認、あれば変えることが出来るか相談
  • 睡眠リズムを整えるため、日中の活動性を高める
  • 医療機関を受診し原因を解明し、場合によっては投薬を検討
介護サービス
  • 夜間対応型訪問介護サービス(定期・随時)

これらはあくまで例なので、要介護者自身の状態や居宅の環境などによって変わってきます。

ポータブルトイレや紙おむつに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、要介護者の状態や状況によってはそれらを使うことによって介護者の負担が大きく改善される可能性があります。安易に勧められないものもありますが、場合によっては改善できることもあるのでぜひ検討して見てください。

在宅介護における『夜間のトイレ介助』は介護をする側、受ける側どちらの負担も大きく、特に暗い中の介護によって転倒などの危険性もあります。

また、認知症や要介護度が高くなるとより介助に負担がかかります。その場合は、介護保険で受けられる『夜間訪問型介護サービス』というものもありますので、ぜひ担当のケアマネージャーに相談してみてください。

【入浴介助】の負担と改善策

在宅介護をする上で次に負担になってくるのが『入浴介助』です。腰をかがめながら行う動作が多いため腰に負担がかかりやすく、身体的に大変な介助内容になります。

入浴はただ体を綺麗にするだけではなく、一日の疲れを取ったりリラックスできる大切な時間です。また要介護者にとっては、清潔にすることで感染症を防ぎ、温めることで腰痛や関節の痛みを和らげる効果もあります。

そんな生活する上で大切な『入浴』の介助の負担と改善策を見ていきたいと思います。

毎日の入浴介助で腰に負担がかかる…

お風呂に入れたいけど入りたがらない…

転倒のリスクがあるから神経を使う

様々な悩みがあると思います。

入浴介助は専門でやっている介護士でも特に大変な介助ですので、毎日在宅でされるている方は身体的にとても負担になってくると思います。

改善策

介護用品
  • シャワーチェア(浴室での立ち上がりが楽になる)
  • バスボード(浴槽へのまたぎが不安な方)
  • すのこ(浴室に入る際の段差をなくす
  • 浴槽内椅子(浴槽内に置いて立ち上がりを楽にする
  • 浴槽用手すり(浴槽の縁に取り付ける
  • 入浴用介助ベルト(持ち手のついたベルト要介護者につけ、立ち上がりや移動を楽にする)
介護用品画像

*介護用品は要介護認定を受けた人が介護保険でレンタルをすることかできます。

介護動作
  • できるだけ体を密着させる(力が伝わりやすくなる)
  • 足をできるだけ大きく開く(姿勢が安定し腰への負担が減る)
  • なるべく前屈みにならないようにする(腰を落とし重心を低くする)
  • 介護者用の椅子を準備する
介護サービス
  • 訪問入浴サービス(簡易浴槽を持ち込み、看護師と介護士で入浴介助)

要介護者の入浴拒否や健康状態などによっては入浴ではなく、足のみの部分浴や体を拭くだけの清拭でもいいと思います。

特に体に負担のかかる入浴介助なので、介護をする際は姿勢や動作に気をつけ、介護用品や介護サービスをうまく使いながらご家族の負担を少しでも減らすことをお勧めします。

介護用品や介護サービスについては、担当のケアマネージャーや行政の相談窓口に相談してみてください。

終わりに

在宅介護における介護者の負担はその人の環境によってそれぞれ違います。そのためなかなか分かってもらえないところがあるかも知れません。仕事をしながら介護をしている人、一人暮らしの親のところに通っている人、育児をしながら介護をしている人、お互いに年老いた夫婦、それぞれに抱えた問題は違うと思います。

ですが、決して一人で家族だけで抱え込まないでください。介護保険で使えるサービスは色々あります。相談に乗ってくれる窓口もあります。

「まだ大丈夫」と頑張りすぎず、利用できるものは利用してみてください。介護に余裕ができると心に余裕ができ、もっと自分の時間を大切にできるようになるかもしれません。