こんにちは、介護福祉士のうまです。今日は「遠距離介護をしていく際のコツや使えるサービス」についてご紹介していきます。
離れて暮らす親の介護をすることを「遠距離介護」と言います。離れて暮らす両親のために、離れていても子供ができることをご紹介していきます。
離れて暮らす親を持つ「子」の心得
介護予防が大事
「介護予防」とは高齢者が要介護状態にならないように予防する事と、すでに介護が必要になっている人に、軽減または悪化しないように予防する事です。
2015年の介護保険改正により、高齢者が要介護状態にならないように総合的に支援する「介護予防・日常生活支援総合事業」が創設されました。
「総合事業」は大きく分けて2つに分かれます。
一つ目が介護が始まる前の、生活の中で予防をするためのサービスで、「一般介護予防事業」といい、主に市区町村が民間サービスと連携し、高齢者の生活機能の改善や生きがい作りを目的とし、介護予防に役立つサービスを提供します。
二つ目は要介護状態になった方に向けた「介護予防・生活支援サービス事業」で、主に訪問介護や通所介護で支援するサービスです。
介護が始まる前の一般的な介護予防としては、主に以下の3つを軸に意識しましょう。
| 心身機能 | 活動 | 社会参加 |
| ・運動機能の維持と向上を目指す ・栄養管理をする(低栄養・脱水を予防) ・口腔機能の向上(虫歯・歯周病など) ・認知機能低下を予防 | ・公共の交通機関を使って外出する ・友人の家に遊びに行く ・体操教室などに参加してみる ・ボランティア活動 | ・地域の憩いの場に参加する ・サークル活動などの参加 ・講演会などへの参加 |
親の生活パターンを把握しよう
遠距離介護をする上で「親の生活パターンを把握する」ということが大事になってきます。
親が毎日どういった食事をしているのか、何時ごろに起きて何時ごろに就寝するのか。または近所付き合いや趣味の活動など、離れて暮らす子どもは意外と把握していないことが多いです。
親の生活パターンを把握することでのメリットは以下があげられます。
基本的に親に介護が必要になった時に、担当のケアマネジャーとケアプランを作るのは「子」です。
例として、以下のように両親の生活パターンを把握しておくことで、遠距離でなかなか会えなくても、両親の気持ちを尊重したケアプランやサポートをすることができます。
| ・起床時間 ・就寝時間 | AM7:00 PM21:00 |
| ・毎日の食事 | 父:血圧管理のため薄味の料理を母が調理 母:便秘気味のため野菜多めを意識している |
| ・趣味・習慣 | 夫婦で毎朝AM7:30から30分間ほど近所を散歩している 父:火曜日と木曜日の週に2回必ず近所の囲碁クラブに通っている 母:昔から近所付き合いが良く、午前中はよくお隣さんとお茶をしている |
| ・将来に対して | 父:できるだけ死ぬまで住み慣れた自宅で生活したい 母:周りに迷惑をかけないように出来るだけ自分のことは自分でしたい |
| ・生きがい | 両親ともに、遠方に住む孫の成長が生きがい。手紙のやりとりが楽しい |
| ・持病・通院の頻度 | 父:高血圧の薬を処方してもらうために2週間に一度かかりつけ医を受診 母:特になし |
いざと言う時のために、日頃のコミュニケーションを通して両親の生活パターンを把握しておきましょう。
親の友人、近所の人の電話番号を聞いておく
次に大事なことは、親が親交のあるお友達や、近所の人の電話番号を聞いておくことです。
いつもはすぐに電話に出る時間帯なのに電話に出ない…何かあったかな。。。
もしかして家で転倒して動けなくなっているのかも!お願い電話に出て…
いつもは電話に出る時間帯なのに、何度電話してもでない場合など、経験したことがある人も多いと思います。そんな時に、遠距離の場合すぐに様子を見に行くことができず、連絡が取れるまでの時間とても心配になりますよね。
〇〇さん(近所の人)、母と連絡が取れなくて心配なの、悪いけど家に様子を見に行ってくれないかしら?
あら!それは心配ね、すぐに見てくるわ。
様子を見てきたわ。お母さん家の段差につまずいて足を軽く痛めたから横になっていたわ。大丈夫って言っていたけど、病院に行ってみたほうがいいかもね。
助かりました!ありがとうございます。すぐにケアマネに連絡するわ。
両親の身近なお友達や、近所の人の連絡先を把握しておくことで、万が一の時にすぐに様子を見に行ってもらう事ができます。
帰省した際などに、近所の人や交友関係がある人にあらかじめコミュニケーションをとり、「何かあったときに連絡してもいいですか」と断っておくと相手も意識してくれるようになります。
ケアマネジャーや医師には積極的に連絡をする
また、担当のケアマネジャーやかかりつけ医には背極的にこちらから連絡を取ることも大切です。
いろいろな患者さんや利用者さんを受け持っているので、基本何かないと連絡が来ることがありません。(※個人差はあります)帰省した時だけではなく、何か困ったことや不安に思っていることがあれば、こちらから積極的に連絡しましょう。
もし今からケアマネジャーを探す人は、「遠距離介護」のマネージメントをしたことがある人を選ぶと良いと思います。
定期的に連絡をし、親の様子や状況などの情報交換をすることで、遠距離で離れていても積極的に介護に関わることができます。
また、帰省する際には前もって連絡することで、帰省中に直接会って話すことができるのでお勧めします。
『介護帰省割引』を使って帰省しよう
遠距離介護をする際に大きな負担になってくるものが「帰省費用(交通費)」ですよね。
今回は介護帰省をする際に、お得に帰れる割引制度をご紹介します。ぜひ利用してみてください。
各社国内線「JAL・ANA」の介護帰省割引
大手飛行機会社の「JALやANA」にも割引制度があります。
| JAL | ANA | |
| 利用条件 | ・満12歳以上 ・二親等以内の親族 ・配偶者の兄弟姉妹の配偶者 ・子の配偶者の夫婦 | ・満12歳以上 ・二親等以内の親族 ・配偶者の兄弟姉妹の配偶者 ・子の配偶者の夫婦 |
| 利用方法 | ・介護割引情報登録が済まされているマイレージ カードが必要 | ・介護帰省割引の情報登録済みのJALカード、 またはJALマイレージバンク(JMB)カードが必要 |
| 適用路線 | ・JAL国内線全路線 | ・ANA国内線全路線 |
| 購入期限 | ・予約日を含めて3日以内 | ・予約日を含めて3日以内 |
| 割引率 | ・最大約43% | ・最大約40% |
| 予約変更 | ・可能 | ・可能 |
これらの割引を使用するのに、「介護割引情報登録」をいうものをしなければいけません。インターネットや郵送で来ます。
手続き完了までに最大10日かかることもあります。またこれらには有効期限もありますので、帰省の予定がある場合には前もって準備しておくことをおすすめします。
各社「介護帰省割引」を利用する際の注意点
介護帰省割引を利用する際の注意点がいくつかあります。
介護が始まった時や、入院時には頻繁に帰省しないといけなくなり、交通費が負担になります。航空会社の介護帰省割引以外にも、JRなどにも様々な割引サービスがあります。
また、LCCなど格安航空チケットによっては、かなり安く利用することもできます。
これらを比較検討しながらうまく利用して、少しでも介護負担を減らしましょう。
最安値の航空チケットを探す←『お年寄り見守りサービス』で遠距離でも安心
遠距離介護と一般的な在宅介護や通い介護との大きな違いは「直接安否確認ができない」「日頃の様子が分からない」ことだと思います。介護をする上で特に心配なことは、「転倒や急病で倒れていないか」、「火の消し忘れはしていないか」などがあります。
近くに住んでいれば、頻繁に状況を確認できたり、連絡が取れないなど異常を感じればすぐに対応することができますが、遠距離介護ではそうはいきません。
そこで少しでも介護者の不安を解消するために活用したいのが「見守りサービス」です。
見守りサービスの種類
介護需要が高まる近年、様々な会社が工夫を凝らし、要介護者とご家族のための見守りサービスが誕生しています。それらの主な特徴と、どんなメリットがあるのかをご紹介していきます。
- センサー型
- 訪問型
- 宅配型
- カメラ型
センサー型見守りサービス
高齢者の自宅の様々な場所(玄関・トイレ・寝室などの生活動線)に設置したセンサー機能によって、24時間パソコンやスマートフォンによってご家族が見守りできるタイプのものや、ガスや電気の使用状況により、家族へ連絡がいくタイプがあります。
●象印「見守りホットラインi-POT」
| 特徴 | 無線通信機器を内蔵した『電気ポット』を毎日使うだけで、ポットの使用状況を一日2回Eメールでご家族にお知らせ。毎日使う日用品を使ってお年寄りの日々の暮らしを見守るサービス。 |
| 料金 | 契約料(初回のみ)5000円 サービス利用料3000/月(2020.10現在) |
| URL | 見守りホットラインi-POT(https://www.mimamori.net/service/#price) |
●株式会社ミマモリエ「ミマモリエ」
| 特徴 | 置き型フォトスタンドでそっと見守り。高齢者の活動状況、睡眠時間、室温をモニターし家族にお知らせ。工事不要で、コンセントを差して置くだけですぐに使えます。 |
| 料金 | 月額使用料のみ2900円(2020.10現在) |
| URL | ミマモリエ(https://www.mimamorie.co.jp) |
●株式会社アイトシステム「ドアシル」
| 特徴 | 2種類のセンサ(焦電センサとドアセンサ)で家族に替わって24時間365日、被介護者の状態を見守ります。ドアセンサを玄関ドアに取り付けて頂くことで外出検知を行います。 |
| 料金 | 購入:LANタイプ49.698円税込 モデムタイプ54.626円(2020.10現在) |
| URL | ドアシル(https://www.aitosys.com/doashiru.html) |
訪問型見守りサービス
訪問型見守りサービスとは、サービスを提供する会社の担当者が、定期的に訪問し高齢者の安否確認をするサービスです。主な提供会社は郵便局や水道、ガスなど日頃から地域を巡回しているスタッフです。
●日本郵便「見守り訪問サービス」
| 特徴 | 郵便局社員が、定期的に自宅を訪問し、会話を通じて生活状況を確認、その結果を自治体やご家族へメールで伝えるサービス。訪問時に生活状況確認項目や質問項目を確認。ご家族の指定した質問も追加できます。 |
| 訪問回数 | 月1回(30分ほど) |
| 料金 | 月額2500円(税込)(2020.10現在) |
| URL | 見守り訪問サービス(https://www.post.japanpost.jp/life/mimamori/visit.html) |
宅配型見守りサービス
宅配型見守りサービスとは、食事の配食や日用品の宅配時に、配達員が高齢者の健康状態を確認します。訪問型と似ていますが、決まった食事の配達や注文した日用品の配達時の訪問なので、より定期的な訪問をしてくれます。
●生協の宅配「パルシステム・見守りサービス」
| 特徴 | 連絡受取者のメールアドレスに、毎週のお届け時間、お届け時の基本情報を配信いたします。在宅か不在か、配達商品の有無、次回利用の有無などから選べます。 見守り対象者が倒れてしまっているような緊急時や、先週お届けした商品が放置されていたり、郵便物がたまっているなど異変を察知した際に、通報を行います。 |
| 料金 | ・登録料・利用料無料 ・生協のパルシステムをご利用の方 |
| URL | パルシステム・見守りサービス(https://www.pal-system.co.jp/service/mimamori/) |
●高齢者専門宅配弁当「宅配クック123」
| 特徴 | 高齢者向けの宅配ごはん、献立の内容も希望に応じておかゆやきざみ食にできます。宅配時に利用者の変化等があれば、決められた連絡先に(家族・ケアマネ)連絡。 また、多くの配達員は”認知症サポート講座”を受講しているので、認知症の対応も可能。 |
| 料金 | 配達料は無料・お弁当代のみ |
| URL | 宅配クック123(http://takuhaicook123.jp) |
カメラで見守りサービス
カメラ型の見守りサービスとは、その名の通り、カメラを通して高齢者を見守るサービスです。カメラの機能によっては「動体検知機能」や「会話機能」もついているので、遠く離れたご家族でも、24時間気軽にいつでも様子を確認することができます。
●ラムロック「みまもりCUEB」
| 特徴 | 工事不要のインターネット回線を使わず、コンセントに差し込むだけで使用できる。カメラを天井に固定することで部屋全体を観察できる。動作検知機能(オプション)で行動を把握できる。 また介護保険適用の機種もあります。 |
| ネットワーク回線 | 不要 |
| 料金 | 月額3900円〜 追加オプション(動作検知)1000円 |
| URL | みまもりCUBE(https://ramrock-eyes.jp) |
また、これらの他に、インターネットで購入できる見守りカメラもあります。購入するタイプなので、月額費用は掛からなく、設置するだけですぐに利用できるのでこちらもおすすめです。
今は様々な見守りサービスがあります。これらのサービスを使うことで、遠距離介護特有の不安や悩みを少しでも軽減することができると思います。
また、これらのサービスを複合させたものを提供している会社もあります。利用者の状況や介護状況などに合わせて、自分に合ったサービスを見つけてみてください。
高齢者の防災対策
最後に「高齢者の防災対策」についてご紹介します。
近年度重なる地震災害や台風による水害で、多くの人が被害を受けています。世界一の災害大国と言われる日本は今後も、首都直下型地震や、南海トラフ地震など、いつになるか分からないが、必ず来るであろう災害に対して準備しておく必要があります。
一般市民ももちろんですが、高齢者のみの居宅に関しては、より一層の備が必要になってきます。
高齢者だけでは避難用具や、住宅の備えをするのは困難です。前もってご家族が準備しておくのが良いしょう。
また、遠距離介護となると、いざと言うときにすぐ駆けつけることが出来ません。そんな時のためにも、あらかじめ担当のケアマネジャーや近隣の方の連絡先を確認しておくことも大切です。
”備あれば憂いなし”です。準備しすぎて損することはないので、ぜひ今後来る災害に対して備えましょう。
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まとめ
遠距離介護は直接介護をし、様子を見ることができない分、一般的な介護よりも「心配」や「不安」を感じやすくなります。
遠距離介護をする中で、遠距離介護特有のいろいろ大変なことが出てきますが、介護される側も、介護する側もできるだけ負担を少なくして、お互いが長く豊かな暮らしができるように、様々なサービスを利用してみてください。