HSPさんは介護職に向いている?職場選びが重要!|少人数の施設を選ぶ

うま
うま

こんにちは、19歳で初めて介護の仕事に就き、色々あり一般企業に勤めたりもしましたが、現在は介護歴7年で、介護福祉士の”うま”です。

実は、HSP気質(繊細で敏感さん)を持っている介護士さんはとても多いんです。

介護士以外にも、看護師さんやソーシャルワーカー(精神保健師)さんなど、困った人を助けるような職種には、繊細で敏感なHSPさんが多くいらっしゃいます。

おそらく、痛みに人一倍敏感なHSPさんは、人の痛みも分かるからこそ、困った人をほっとけない、心の優しい人が多いのだと思います。

繊細で心優しいHSPさんは福祉の業界になくてはならない存在なのです。

しかし、敏感で繊細だからこそ、抱える悩みも人より多くなってしまい、結果自分を追い込んで潰れてしまいがちです。

私自身もHSP気質を持っていて、

  • 共感しすぎる
  • 気にしすぎる
  • 気を使いすぎる
  • 些細なことで傷つく

といったことで、介護の仕事をする上でたくさん悩んできました。

HSPさんは、敏感すぎるため、他の人から見たら本当に些細なことにまで反応してしまうので、繊細で弱く見られがちですが、私は”HSPは才能”だと思っています。(思うようになりました)

普通の人には分からない微細な変化にも気付くことは、介護士としてかなり大事な素質だし、利用者さんの気持ちに寄り添い共感できることも、介護士として重要なことです。

ただ、働き方や、働く場所を間違えると、HSPさんのキャパをオーバーしてしまい、潰れてしまいます。

  • HSPは、介護士に向いていないのではないか
  • 気を使いすぎて毎日疲れる
  • 施設内の人間関係に疲れる

今回は、そんなHSPさんが、介護の仕事に向いている理由と、向いている働き方、向いていない働き方、介護士として働く上で気をつける事などをご紹介します。

HSPとは?

HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く敏感な気質もった人」という意味で、「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼びます。

頭文字を取って「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼ばれています。

HSPは環境や性格など後天的なものではなく、もともと生まれ持った気質であると言われています。

統計的には、人口の15%〜20%で、約5人に1人がこの気質に当てはまると言われています。

最近では、ロンブーの淳さんや、元でんぱ組の最上もがさん、ベッキーさんなどの芸能人が、自身がHSPであることを公表し話題にもなりました。

HSPの特徴

HSPの人に共通しやすい主な特徴は以下のようなものがあります。

  • 共感能力が高い
  • 小さな変化に気が付きやすい
  • 音や光など外部からの刺激に弱い
  • 良心的
  • 暴力的な映像が苦手
  • 人混みが苦手
  • 涙脆い
  • 感受性が強い
  • ルールや決まりごとを破らない

などがあります。

一見ネガティヴなことばかりに見えますが、長所になるようなところも沢山あります。

HSPの長所
  • 良心的=優しい、困ってる人をほっとけない
  • 変化に気づく=困った人がすぐ分かる
  • 共感能力=人の痛みが分かる
  • 涙脆い=人の気持ちに寄り添える
  • 感受性が強い=感情が豊か

HSPさんの特徴は、感受性の高さと、繊細で敏感な心です。

ただ、場の雰囲気や、周囲の人の感情が分かるため、いつも自分の気持ちを犠牲にしがちです。優しすぎるところはHSPさんの長所ですが、うまくコントロールができないと潰れかねません。

HSPの簡単チェックリスト

HSPを診断する簡単なチェックリストです。

以下の11項目のうち、男性なら7つ以上、女性なら8つ以上当てはまると、HSPだと診断されるそうです。

  • 一度にたくさんの事が起こっていると不快になる。
  • 忙しい日々が続くとベッドや暗くした部屋などでプライバシーが得られ、刺激の少ない場所に逃げ込みたくなる。
  • 明るい光や強いにおい、ごわごわした布地、近くのサイレンの音などにゾッとしやすい。
  • 短時間にしなければならないことが多いとオロオロする。
  • 生活に変化があると混乱する。
  • 大きな音や雑然とした光景のような強い刺激がわずらわしい。
  • 他人の気分に左右される。
  • 大きな音で不快になる。
  • 一度にたくさんのことを頼まれると、イライラする。
  • いろいろなことが自分の周りで起きていると不快な気分が高まる。
  • 競争場面や見られていると、緊張や動揺のあまりいつもの力を発揮できなくなる。

どれくらい当てはまりましたか?

8コ以上当てはまった人は、HSPの気質を持っています。おそらく幼少の頃から今まで、何度も生きづらさを感じてきたのだと思います。。

この生きづらさは、HSPの人にしか分からないものですよね。

私も小さい頃から、”生きることは水の中を潜って生活しているような苦しいもの”だと思っていました。

今は、自分のことを理解してくれる人と結婚でき、介護の仕事も働き方を変える事で、”地上で酸素を吸いながら”生きれるようになりました。

HSPさんが介護士に向いている理由その3

私は介護の仕事はHSPさんに向いている職業だと思っています。

この意見に対しては、賛否両論あって、逆に繊細すぎるため「向いていない」という意見もあると思います。

しかし、私は働き方や、職場環境次第では、このHSPさんの才能は、介護の現場で大いに生かせると思います。

なぜそう思うのかを、一つづつ説明していきたいと思います。

理由1.「高い共感能力を持っている」

人は、自分の気持ちを分かってくれる(理解しようとしてくれる)人に心を開きやすいです。

そのため介護士は、利用者さんの気持ちに寄り添い、その人の痛みや苦しみを理解してあげることが重要です。

人は自分に向けられる感情が本物かどうか意外と分かります。なので、利用者さんも本当に自分のことを思ってくれている介護士か、上部だけで接しているのかすぐ分かります。

なので、HSPさんの特徴である「高い共感能力」は、介護の仕事をする上でとても重要なスキルになります。

ただ、人の痛みや苦しみに共感しすぎてしまい、家に帰ってまで落ち込んでしまったりもするので、切り替えが難しい人は、徐々に上手く切り替えるようになる必要があります。

私は、重度の障害者の介護をしていましたが、複雑な家庭環境や、ご本人の辛い経験などを聞いた時は、利用者さんの気持ちにリンクしてしまい、数日落ち込んでいました。

また、看取りなどを経験した方は、他の人よりもダメージを受けやすいので、看取りがない施設を意識して選ぶのがいいかもしれません。

理由2.「小さな変化にも気がつきやすい」

次にHSPさんが、介護士に向いている理由は「小さな変化に気づきやすい」ということです。

HSPさんは、神経がとても敏感で、自分が置かれている状況が少しでも変わると、とても違和感を感じます。

そのため、他の人には気づかない些細な変化もいち早く気付くことがあります。

例えば、環境の変化もそうですが、利用者さんの表情がいつもと何となく違うとか、何か隠し事をしているとか、人の変化にも敏感です。

介護の仕事は、状況の変化をいち早く見抜き、未然に防ぐことも重要です。

特に、利用者さんの中には、自分の状況をうまく言葉に出せない方も多くいます。そんな方の変化をいち早く見抜き、対応・対策することができるのも、HSPさんの才能です。

ただ、多くのHPSさんは、「勘違いじゃないかな」や「取り越し苦労かな」など自分の直感に消極的になりがちです。

自己肯定感が低くなりがちなので、自分の意見をいうのが下手ですが、気になったことは小さな事でも、発言してみてください。

理由3.「優しい」

HSPさんは、とても傷つきやすく、痛みを感じやすい繊細な心を持っています。なので、人の痛みにも敏感になります。

例えば、HSPさんは道端などで困っている人を見るとほっておくことができません。

しかし、自己肯定感の低いHSPさんは、「手助けを拒否されるかも」「別に必要とされないかも」「変な目で見られるかも」などヤキモキしてしまい、実際に行動に移すことができない人も多くいます。

ただ、優しいHSPさんは帰ってからも、あの時の困った人が大丈夫だったか気になって仕方なくなりがちです。

介護の仕事は、実際に困っている人のお手伝いをする仕事なので、そんな優しいHSPさんの気質にはぴったりです。

「ありがとう」や「あなたがいてくれて良かった」などと言われることで、HSPさんの承認欲求も満たされます。

ただ、介護士はなんでも助ければいいという訳ではなく、あくまで自立の支援なので、そこはしっかり仕事として割り切っていくことが大切です。

【重要】HSPの介護士さんは働く環境が大事!

これまで、HSPさんが介護士に向いている理由を説明してきましたが、選ぶ職場環境によっては、HSPさんの気質が裏目に出てしまい、問題になってしまうことがあります。

なので、職場を選ぶ際にはより注意が必要です。

HSPさんに向いている介護の職場環境○

  • 少人数で一人一人と深く関われる
  • 日勤のみなど、勤務スタイルが決まっている
  • 休日がしっかり取れる
  • 職員の人間関係が良好
  • 人手不足ではない
  • 長時間勤務ではない
おすすめな勤務先例
訪問介護・自分の勤務スタイルで、無理なく短時間から働ける
・利用者さんと一対一の関係を築ける
・職場の人間関係で悩まなくて良い
デイサービス・日勤のみ、土日休みなど勤務スタイルが決まっている
・少人数制のところもある
グループホーム・少人数制で家庭的な雰囲気
・流れ作業ではなく、ゆったりした時間で働ける
・要介護度が低い

基本的にHSPさんは、雑多な環境や大人数の職場、激務には向いていません。

また、職場の人間関係が悪いところや、労働環境(残業や勤務時間、休暇が少ないなど)が悪いところも、精神的に負担になるため、向いていません。

HSPさんが向いている職場は、少人数規模の施設、で利用者さん一人ひとりと深く関わることができ、業務も激務ではなく、無理なく働ける職場が向いています。

こちらの記事では、「HSPさんが訪問介護に向いている理由」について書いているので、参考にしてください。→「HSPの介護士さんに訪問ヘルパーが向いている5つの理由」

もし、結婚をしている人でしたら、正社員に拘らず、派遣社員などで”夜勤なし週3”などで働いたり、訪問介護で短時間から自分のペースで働くのもおすすめです。

勤務時間や休日など、自分に合った働き方を見つけたい方はこちらで探しましょう↓

おすすめの転職サイト

HSPさんに向いていない介護の職場環境×

  • 大人数規模の職場
  • 労働環境が悪い(ブラック施設)
  • 職員の同士の関係が悪い
  • 高圧的な職員がいる
  • 派閥がある職場
  • 医療的ケアが必要な重度の利用者さんがいる
  • 夜勤がある

HSPさんは責任感が強いので、要介護度が高く、介護事故などのリスクが高く、激務になりがちな”特養や老健”などは神経を使いすぎるため、あまり向いていません。

また、介護士の職員同士にチームワークがなく、人間関係が悪い職場も、HSPさんは精神的に影響を受けやすいので要注意です。

HSPさんはまず”ブラック施設”に勤めないことが重要です。

こちらの記事では「ブラック企業の見極め方」をご紹介しています。

いくらやる気があり、困っている人を助けたいという気持ちがあっても、自分に合っていない職場では、せっかくの才能も生かすことができません。

なので、職場選びはかなり慎重にしてください。また、すでに「向いていない…辞めたい」と思っていたら、職場を変えることをおすすめします。

HSPさんに向いている介護現場、働き方はあります。

もし、初めて介護の仕事をしてみたいと考えているのでしたら、以下の記事を参考にしてみてください。

HSPさんが介護の仕事をする上で気をつける事

  • どんな働き方をしたいのかを明確にする
  • 職場環境などは、事前に調査する
  • 自分のキャパを超えるような業務はしない(夜勤など)
  • 仕事とプライベートのON・OFFをしっかり切り替える
  • 小さい目標から達成感や充実感を上げていく
  • 愚痴や相談を聞いてもらえる人を作る
  • 職場内に相談できる人、信頼できる人、味方を作る
  • 一人でため込まない
  • 失敗しても自己卑下しない(ステップアップにする)
  • 毎日の仕事から小さな楽しみを見つける
  • 休憩時間など、少しでも一人になれる時間を確保する

まとめ

介護の仕事は人対人の仕事の為、HSPさんの性質を生すことも、逆に潰してしまうこともあります。

しかし、働く環境を選ぶことで、やりがいを持ってHSPの才能を生かして働くことができます。

現に、介護に限らず、福祉業界の多くの人はHSP気質の人です。人より繊細で敏感で他人の気持ちが分かる、優しい心を持っているHSPさんだからこそ出来る仕事があります。

ただ、しんどくなる事も普通の人よりもどうしても多くなってしまいます。

なので、自分が無理しないで働ける職場を見つけてください。

もし、今HSP気質ゆえに、介護の仕事で悩んでいるのでしたら、今の職場環境や働き方が、はたして自分に向いているのかを一度考えてみてください。

今日の記事のまとめ
  • HSPの才能を生かせる介護職は向いている
  • ただ、働く環境がかなり大事
  • 働き方、職場環境をしっかり事前調査する
  • 無理しない職場環境が大事