
こんにちは、介護福祉士のうまです。今回は、介護疲れが原因で起こる「介護うつ」についてご紹介します。
厚生労働省の研究班の調査では、4人に1人が”介護うつ”であるという結果が出ています。介護はやはり大変なのです。
”うつ”になる原因として、疲労や孤独によるストレスがあげられます。介護はストレスになる要因が揃っています。うまくストレスと付き合う方法は、介護中心の生活に陥らず、自分の生活も大事にすることです。
今回は、介護ストレスの要因と、自分を犠牲にしない介護の仕方をご紹介します。
介護疲れは”3段階”で悪化する

1.介護ストレスによる疲労も、最初は体調面にあらわれます。本人は精神が疲れていることに気づいてはいませんが、体が信号を発信している状態で「警告期」と言われます。
多くの場合は、休んだり気晴らしをすることで解消されます。
2.「警告期」をそのままにしていると、次に「抵抗期」に入ります。心身ともにストレスを跳ね返そうと反発します。本人もストレスを感じていますが、「まだ頑張れる」と無理をしてします。
3.「抵抗期」に休まず無理をすると、「疲憊期(ひはいき)」になり、心身ともに疲れ切ってしまい、本人や家族だけでは対応しきれなくなります。
- 1警告期
自覚がない
- 体調面に疲れが出る
- だるい
- 血圧が上がったり下がったりする
- 肩こり、イライラ
- ミスが増える、物忘れ
- 2抵抗期
ストレスは感じているが、病気になるとは思っていない
- 心や体がストレスに反発・抵抗する
- ハイ状態で頑張る、あるいわ脱力する
- 胃がいたい
- 心臓がドクドクする
- 血圧の変調・血糖値の上昇
- 3疲憊期(ひはいき)
心の病気へ移行する可能性大
- 心も体も疲れ切っている
- 集中できない、物忘れが激しい
- 無気力
- 睡眠障害、食欲不振、不安感、体重減少、胃潰瘍
出典:「身近な人の介護で心がいきづまったら読む本」より
人間の精神は、肉体と密接に結びついています。心の疲れが身体症状に出ることもあれば、病気によって精神が落ち込むこともあります。
長期にわたってストレスが続くと、心身のバランスが崩れ日常生活に支障をきたすようになります。なかなか自分ではストレスに気づきにくこともありますよね、一度ストレスチェックなどで客観的に見てみることをおすすめします。
ストレスが溜まっている兆候
上記のような症状がいくつか当てはまったら、ストレスが溜まっているかもしれません。以前の自分と比べてみてください。
介護が原因でストレスを感じている場合は、ストレスを軽減できる方法を探してみなければいけません。
ストレスを溜め込みやすい人
同じ環境でも、ストレスをため込む人と、うまく受け流す人がいます。この違いは考え方の”クセ”によるところが大きいです。
マイナス思考の人は、「良いことはマイナスに、悪いことは拡大して」考えてしまう”クセ”があります。まず、自分の考え方のクセに気づき、マインドを変えてみることで、いい結果を得られるかもしれません。
| 状況 | ストレスを溜めやすい人 | ストレスを溜めにくい人 |
| オール5の成績だったのに、 1つ4を取ってしまった | 全か無か思考 4を取るなんて全て台無しだ | 1つくらいいいや、次に頑張ろう |
| 友達が洋服を褒めてくれたが、 一人だけ「似合わない」と言った | 心にサングラスをかける 「似合わない」の一言が頭から離れない | みんな褒めてくれたからいいや |
| 駅前で隣の奥さんに会釈したが 無視された | 結論の飛躍 私は嫌われている… | 人混みだから気付かなかったのかも |
| グラスを割ってしまった | レッテル貼り 私は無能だわ… | 早く片付けなくちゃ |
| 訪問セールスが来た | 感情的決めつけ こんな気分の悪い日に来るなんて、 ろくな人じゃないわ | おまけのティッシュをもらったのは お得だったわ |
自分の性格を知ろう
ストレスとうまく付き合っていくことが、上手に生きるコツです。ストレスとうまく付き合うためには、まず自分の性格を知ることが大切です。
以下の4つのタイプは、ストレスを溜め込みやすい方の性格です。どのタイプが強く出ているのかを考えてみましょう。
| 性格 | 介護の場面 |
| 「うまくいくかな」「大丈夫かな」といつも 不安感でいっぱい。不安はストレスの原因になる。 | 先が見えない介護に、「どうしよう」「困ったことだ」と、 いつも不安を募らせている。 |

| 性格 | 介護の場面 |
| 「お前が悪い!」と、頭ごなしに決めつけたり、 相手を威圧したりする。 他人のミスが許せず、すぐにカッカッと怒る。 | 家族やヘルパーさんに自分のやり方を押し付け、うまくいかない と怒る。だんだんと関係がギクシャクしてしまう。 |

| 性格 | 介護の場面 |
| 人から頼まれたことに「ノー」と言えず、そんな自分を 反省する。 自己嫌悪というストレスが溜まっていく。 | なんでも「自分でやります」と引き受けてしまい、 にっちもさっちのいかなくなり、落ち込む。 |

| 性格 | 介護の場面 |
| 完璧主義者で、なんでも自分がやらないと気が済まないず いつも緊張している。 ほんの少しのミスでも落ち込んでしまう。 | 完璧な介護を目指して、仕事を辞めしまうことも他人が 手伝ってくれると、粗ばかり目につく。 |

どれに当てはまるではなく、程度の差こそあれ、全てを持ち合わせているので、どのタイプが自分は強く出ているかを見てみてください。
身近な介護ほど辛くなりやすい原因

他人の介護より、身内の介護の方が辛いのは当たり前です。
元気だった頃を知っている分、悲しみや落胆も大きくなります。いつまで介護が続くか分からない現実や、病気によって変わっていく親の姿を間近で見るのは精神的にも落ち込みます。
また病気だからと分かっていても「なんでこんなことも出来ないの」と感情的になってしまうこともあります。
その反面、介護施設などで働いている方が、利用者に優しくできるのは、相手が他人だからです。
家族は介護のプロになる必要はありません。プロのようにいつも穏やかに接することはできなくても、家族だからこそ与えられる、気やすさや安心感があります。
家族による介護は、あまり無理をせず、今の自分にできる範囲のことをすれば十分です。
自分を”犠牲にしない”介護
介護を長く続ける上で、大切なことは「生活の全てを介護に費やさない」ということです。
同居介護か、要介護者の介護度によっても家族の負担の大きさは変わってきますが、どのような状況にせよ、介護者自身の心身の健康と、生活を守ることはとても重要で、介護を長く続けていくポイントにもなります。
本来介護は、”社会で支えるもの”として介護保険が始まりました。介護の負担が、家族に全て行かないように、うまく介護保険サービスを使っていくことをおすすめします。

●居宅サービスの積極的な利用
要介護度などの条件を満たしていれば、在宅でも様々なサービスを受けることができます。

●短期入所の利用
公的な介護施設には、短期間宿泊する「ショートステイ」のサービスもあります。数日間、介護から解放されるだけでも介護者の気分転換になります。

●自分の時間を確保して生活を変える
介護の負担を減らすことで、介護者の生活が変わります。自分のために使える時間が増えれば、外出やパートも可能に。

●介護施設への入所
介護保険で利用できる公的な介護施設や、有料老人ホームへの入所を検討する。要介護度や病状、経済状況などを考えて施設選びをしましょう。
『配食サービス』を使って労力を減らす
また、日々の介護で負担になってくるものとして、”食事の準備”も挙げられます。仕事や育児をしながら介護をされている人の中には、日々の食事の準備まで手が回らず、負担になっている方も多いと思います。
また、要介護者の状態によっては、普通食が食べられず、おかゆやきざみ料理などの介護食を準備しなくてはいけなかったり、医師の指示で、塩分制限やカロリー制限をしないといけない場合は、特に調理をする負担は大きくなります。
そんな時に活用したいのが、「配食サービス」です。
配食サービスとは、主に以下のような方々が利用されるサービスです。
- 介護と仕事の両立で家事にまで手が回らない方
- 妊娠や出産などにより、食事の準備が難しい方
- 高齢者の一人暮らしや、高齢者夫婦
- カロリー制限食や塩分制限食、介護食を日常的に自宅で食べたい方
近年高齢化が急速に進んだことや、在宅で介護をする方が増えたため、この「配食サービス」の需要が急速に増えているそうです。
金銭的には負担が増えますが、家事の時間を短縮することができ、尚且つプロが作った適切な栄養のある食事を準備できるので、高齢者にとっては低栄養などの心配も軽減できます。
『居宅サービス』を使って負担を軽減
介護の負担を減らすには、介護保険のサービスをうまく活用することが重要です。介護サービスは、要介護度や環境などの状況によって、利用できる種類や、支給限度額が異なります。
”積極的にサービスを利用する”という意識を持ってどんどん担当のケアマネジャーに働きかけましょう。
他人の手を借りることに抵抗を感じる方もいると思いますが、長く続く介護を乗り切るためには”外部の力”をうまく利用しましょう。
介護の負担を軽くしてくれる主な『居宅サービス』
| ● 訪問介護 | ホームヘルパーなどが自宅を訪問し、介護や生活支援を行う |
| ● 訪問入浴介護 | 簡易浴槽を自宅に持ち込み、入浴の介助を行う |
| ● 訪問看護 | 看護士が自宅を訪問して、医療的なケアを行う |
| ● 訪問リハビリテーション | 専門家が自宅を訪問し、リハビリテーションを行う |
| ● 居宅療養管理指導 | 専門家が自宅を訪問し、療養のための指導を行う |
| ● 夜間対応型訪問介護 | 事業者が夜間に自宅を訪問し、必要な介護を行う |
| ● 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 「夜間訪問型介護」に看護が加わったサービス |
| ● ショートステイ | ホームヘルパーなどが自宅を訪問し、介護や生活支援を行う |
| ● 特定施設入居者生活介護 | 「夜間訪問型介護」に看護が加わったサービス |
| ● 小規模多機能型居宅介護 | 通所介護を中心に、訪問介護と短期入所サービスも利用することができる |
| ● 看護小規模多機能型居介護 | 看護を中心に通い、泊まり・訪問を組み合わせたサービス |
| ● 通所介護 | 要介護者が施設に通い、日中の数時間を施設で過ごす |
| ● 地域密着型通所介護 | 通所介護の中でも小規模な施設を希望する場合は定員が18名のこのサービスを利用する。 |
| ● 通所リハビリテーション | 要介護者が施設に通い、主にリハビリテーションを行う |
| ● 認知症対応型通所介護 | 認知症の人が専用の施設に通い、日中の数時間を施設で過ごす |
介護サービスは、介護に耐えられなくなった時に頼るものではなく、介護を無理なく続けるために使うものです。介護疲れを感じる前から計画的に利用していきましょう。
まとめ
介護疲れの原因には様々なものがあります。しかし介護の仕方を工夫することによって改善できることもあります。
今現在、介護で疲れ切ってしまっている方は、一度何が原因になっているのかを分析してみてください。介護サービスの使い方によっては負担を軽減できるかもしれません。
周りになかなか頼れる人や、相談できる人がいない方は、担当のケアマネジャーに「相談」という形で話してみるのも良いかもしれません。
今回は「介護疲れの軽減の仕方や、介護サービスについてご紹介しました。
最後まで見てくれてありがとうございます。


