
こんにちは、介護福祉士のうまです。今回は「自宅で認知症介護をするためのポイント」について見ていこうと思います。
家族や身近な人が認知症になり介護が必要になった時、日々変わる症状や、先の見えない介護におそらく誰もが将来に不安や悩みを抱えているでしょう。
在宅介護を続けていく上で大事なことは、”いかに介護者の不安と負担を軽くするか”だと思います。一人で抱え込まず、地域や社会の力をかりながら介護をすることで、少しでも介護者の不安や負担を軽減することができればと思います。
今回は認知症介護を在宅でするために必要なポイントをご紹介していきます。
要介護によってどれくらい介護時間が必要か?

在宅介護で主な介護者はどれくらい介護に時間をかけているでしょうか。

介護度が上がるほど介護者の介護時間は増えていきます。要介護度が4以上になると、約半数が”ほとんど終日”介護をしている状況になります。
直接介助する時間の他に、「安全の見守り」なども含めると”ほとんど終日”や”半日程度”が約7割ほどになります。
こうなると介護者は一日のほとんどを介護に費やさなくてはいけなく、介護者自身が仕事をしたり、自分のために時間を使うことが難しくなってしまします。
介護がんばりすぎ度チェック

介護を一人で背負い、ストレスを抱え込んでいる人は少なくありません。まず自分自身の介護を見直すために今、介護を頑張りすぎていないかどうかを判断してみてください。
| 1 | 介護はおもに自分一人でやっている。 |
| 2 | 介護は自分ががんばらなければと思う。 |
| 3 | 他人に家に入られたくないので、家族で介護したいと思う。 |
| 4 | どこに相談に行けば知りたい情報が手に入るのか、わからない。 |
| 5 | 身体の負担が少なくなるような介護の方法を知らない。 |
| 6 | 介護の悩みを聞いてくれたり、相談に乗ってくれる人が身近にいない。 |
| 7 | 介護生活の先行きが見えず不安になる。 |
| 8 | 長い時間留守にできず、遠出ができなくなった。 |
| 9 | 友達付き合いや趣味の時間がとれなくなった。 |
| 10 | 子どもや配偶者の世話が十分できなくなった。 |
このうち思い当たる項目が約半数に当てはまる人は、介護を頑張りすぎている可能性が高いそうです。
毎日の介護をがんばりすぎて”介護疲れ”をしている人は少なくありません。自分が今どういう状況なのかを把握し、不安や負担を少しでも軽減できる方法を探してみましょう。
【ポイント1】一人で抱え込まない

一人で介護を抱え込んでいませんか?
身内の介護は、一緒に住んでいる人や近くに住んでいる人、または長男や長女の負担が大きくなりがちです。実際に家族の介護が始まると、遠方の身内は全く介護に関わらないという場合もあります。
介護うつになる人には、他の家族や親類の非協力的な姿勢にストレスを溜めるケースが多く、「自分一人で介護をしなくてはいけない」「なぜ私だけが…」となってしまいます。
家族全員で話し合い、介護負担を分担する

介護における家族の役割分担は、できれば介護が始まる前に前もって決めておくのが、のちのちトラブルにならないのでおすすめします。
もうすでに介護が始まっている方で、一人で抱え込んでいるとしたら、もう一度家族全員で話し合ってみることをおすすめします。
相談先をつくる

介護ストレスで疲れる前に、日頃から1人で抱え込まず、相談できる人や機関を確認しておき、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。
認知症の電話相談:社団法人認知症の人と家族の会
電話受付(月曜日〜金曜日 AM10:00 ~PM15:00)
電話番号:0120-294-456
社団法人認知症の人と家族の会ホームページ:http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=146
認知症の電話相談:認知症予防財団
電話受付(月曜日・木曜日 AM10:00 ~PM15:00)
電話番号:0120ー65ー4874
公益財団法人認知症予防財団ホームページ:http://www.alzheimer.or.jp/?page_id=146
【ポイント2】介護サービスを見直して負担を軽くする
「いつまで続くかわからない」というのも介護の辛さの一つです。在宅介護や通い介護を続けている場合”介護のおわり=要介護者が亡くなる時”だと結び付けてしまいがちです。
そのため、介護から解放されたいと思うだけで罪悪感を感じてしまうこともあります。
しかし、ひと時も目が離せず手が抜けない介護生活が、この先何年続くか分からないような状況では「介護から解放されたい」と思うのは自然なことです。
ケアプランを見直す
まずは、現状のケアプランが今の現状に合っているのかを見直してみましょう。
介護の状況は日々変化するものです。現実の介護とサービス内容にギャップがあるかもしれません。どのようなサービスが使えて、どんなメリットがあるのか分からない方もいるかと思います。
ケアマネジャーに相談してケアプランを見直してみることで介護負担が軽減されるかも知れません。
介護サービスで負担を軽減

介護サービスを上手に利用することで介護者の負担を大幅に軽減することができます。介護を長く続けるには外部の手助けが必要不可欠です。
介護の一部を介護サービスに請け負ってもらう方法も考えてみましょう。一人で抱えるものが減ることでゆとりが生まれ、自身の生活も見直すことができます。
| ●居宅サービスを積極的に利用する |
| 要介護度の条件を満たしていれば、在宅でも様々なサービスを利用することができます。 まずはケアマネジャーに相談を。 ・訪問介護サービス ・訪問看護サービス ・夜間対応型訪問介護 |
| ●短期入所サービスを利用する |
| 公的な介護施設には、短期間宿泊できる「ショートステイ」のサービスがあります。 数日間だけでも介護から解放されるだけで、介護者の気分転換になります。 対象者:要支援、要介護認定を受けた人 期間:一ヶ月につき最大30日間 |
| ●通所サービスを利用する |
| 自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的として実施。 ・認知症対応型通所介護 ・デイサービス ・デイケアサービス |
| ●宿泊・通所・訪問がセット |
利用者の選択に応じて、施設への「通い」を中心として、短期間の「宿泊」や利用者の自宅への「訪問」を組合せて利用 ・小規模多機能型居宅サービス 対象:要支援1~要介護5 |
【ポイント3】福祉用具を利用する

介護の疲れは、精神的な物だけではなく、身体的な疲れもあります。
要介護者の状態や体調にもよりますが、移動や入浴、トイレ介助には体力が必要です。特に介護技術を持たない一般の人の場合、体への負担が大きくなりがちです。
体の負担を軽減するのに有効なのが”福祉用具”を利用することです。
福祉用具にもさまざまありますが、どれも介護のしやすさと、要介護者にとっての便利さと快適さを考えて作られています。
適切なものを利用することで介護者の負担が軽くなります。
レンタルの対象となる福祉用具

要支援・要介護の認定を受けた方であれば、福祉用具のレンタルを利用することができます。ただし、利用できる福祉用具は要介護の度合いによって異なるので注意してください。
| 1 | 車椅子 | 要介護2以上 | 自走式・介助用・電動など |
| 2 | 車椅子付属品 | 要介護2以上 | クッション・電動補助装置など |
| 3 | 介護用ベッド | 要介護2以上 | 電動で背の角度や高さを調節できるもの |
| 4 | 介護用ベッド付属品 | 要介護2以上 | サイドテーブル・マットレス・ベッド用手すりなど |
| 5 | 床ずれ防止用具 | 要介護2以上 | 体圧分散マットレス・エアマットレス・クッションなど |
| 6 | 体位交換器 | 要介護2以上 | 空気パッドなど体の下に入れ体位交換を行える |
| 7 | 手すり | ー | 設置式のもの。転倒防止や車椅子への移乗をサポート |
| 8 | スロープ | ー | 車椅子での移動のため屋外・屋内の段差を解消するために設置 |
| 9 | 歩行器 | ー | 四脚フレーム構造の歩行補助器具など |
| 10 | 歩行補助杖 | 要介護2以上 | 多点杖や松葉杖など |
| 11 | 認知症徘徊探知器 | 要介護2以上 | 発信器を通じて離れた場所の受信機に通知するものなど |
| 12 | 移動用リフト | 要介護2以上 | 入浴用リフト・階段移動用リフトなど |
| 13 | 自動排泄処理装置 | 要介護2以上 | 排便、排尿を感知すると吸引・洗浄・乾燥まで自動で行うもの |
購入の対象となる福祉用具

| 1 | ポータブルトイレ | トイレまでの移動が困難な場合に使用する。 |
| 2 | 自動排泄処理装置の交換部品 | レシーバー(受け口)など |
| 3 | 入浴補助用具 | 入浴用椅子・浴槽用手すり・浴槽内椅子など |
| 4 | 簡易浴槽 | 浴室までの移動が困難な場合などに使用する空気式などの浴槽 |
| 5 | 移動用リフトのつり具 | 移動用リフトに連結して使用するもの |
福祉用具購入費支給の対象となるものは、排泄や入浴など身体に直接触れる用具です。
指定業者から直接購入します。購入費の1割〜3割が自己負担となります。利用限度額の上限は1年間で10万円です。
介護に疲れきってしまう前に
介護疲れの原因は「ストレス」です。ほとんどの人にとって介護は大きなストレスになります。疲れを感じたりイライラが続いたりするのは、ストレスが溜まりすぎて心身に負担がかかっているからです。
「私が頑張らなくては」、「弱音を吐けない」、「疲れたなんて言えない」など無理を続けてはいけません。心には限界があります。
これまでの介護のやり方を見直すことで、少しでも介護者の負担を減らすことができると思います。

