こんにちは、19歳で初めて介護の仕事に就き、色々あり一般企業に勤めたりもしましたが、現在は介護歴7年で、介護福祉士の”うま”です。
「重度訪問介護」という仕事をご存知ですか?
メジャーではないので、同じ介護職でも知らない人もいますが、今回は、主に重度の障害を持っている方の介護をする「重度訪問介護」の仕事についてご紹介していきます。
私が初めて就いた介護の仕事がこの重度訪問介護でした。
初めは、お年寄りの方と接することができる介護の仕事がしたいと思っていたのですが、求人誌の「介護」という文字だけを見て、勝手に勘違いして重度訪問介護の事業所に応募したのが最初のきっかけでした。
そこで、今回は「重度訪問介護での仕事内容や働き方、働くメリット・デメリット」についてを、重度訪問介護で5年務めた自身の経験を含めてご紹介していきたいと思います。
重度訪問介護ってどんな仕事?
重度訪問介護(以下:重訪)とは、重度の肢体障害を持った方や、重度の知的障害・精神障害を持った方に、自宅へ直接訪問し、入浴・排泄・食事などの生活全般の介護をする仕事です。
自宅でご家族と暮らしている方や、自立して一人で生活されている方などがいらっしゃいます。
重度の障害を持っているので、人工呼吸器を付けられていたり、尿道留置カテーテルやストマ(人工肛門)を付けられている方もいらっしゃいます。
生活の中で常に喀痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要としている方もいらっしゃいますので、そのような利用者さんを担当する際は、必要な資格を取得しなくてはいけません。
必要な資格
重訪の仕事をするのに必ず必要な資格があります。
それは「重度訪問介護従事者研修」です。
講習と実地研修合わせて20時間を受講し取得することができるので、大体2~3日くらいで取ることができます。
民間のスクールでは受講料2~3万円で取得することもできますが、研修を行うことができる特定の事業所だと、入社したらタダで取得することができます。
無資格で重訪の仕事を検討している方は、その事業所で取得できるのかを事前に確認しておくと良いです。
また、利用者さんによっては生活の中で常時”喀痰吸引や経管栄養”などの医療的ケアを必要としている方もいらっしゃいますので、その場合は追加で「喀痰吸引等研修」の取得も必要になってきます。
ただ、これらも事業所によっては、仕事の一環として研修を受けさせてもらえるところもあるので、タダで取得できるところが多いです。
主な仕事内容
仕事内容は、大きく分けて4つあります。
利用者さんが生活する上で必要なすべての介助になるので、身体介助や生活援助が主な仕事内容です。
あと、普段の生活に完全に密着しているので、利用者さんがテレビを見ている時間や、何かしている時は、基本介助者はそばで待機(見守り)をしていて、呼ばれたら対応する感じです。
この待機の時間は、私は漫画を読んだり小説を読んで過ごしていました。
また、外出する際の危険回避や、必要な介助をする移動介護も主な仕事内容です。ただ、利用者さんによって障害も違うので、具体的にどのような仕事内容になるかは、その人によって全然違います。
一番大事なことは「利用者さんが主体」の介助であるということです。
実際に働いていた時の仕事内容
それでは、具体的に重訪がどんな仕事内容なのか、実際に私が働いていと時の内容でご紹介していきます。
一週間のルーティーン
こちらの画像は、実際に働いていた時の一週間の勤務ルーティーンです。
夜勤の次に日勤が入っているので一見大変そうですが、利用者さんが朝までぐっすり寝る方だったので全然大変ではなかったです。
また、留置カテーテルをつけているので夜間の排泄介助もありませんでした。なので、夜間は基本対位交換だけでした。
このルーティーンで働いていました。
この一週間のルーティーンをずっと繰り返していく感じで、担当の利用者さんは基本的に固定でずっと変わらないです。
※ただ、明らかに合わないとか、対応が難しいと感じる利用者さんは相談すれば変更してくれました。
出勤時間がバラバラなので、慣れるのに時間がかかりましたが、慣れてしまえば全然苦じゃなかったです。
それに意外と午後から出勤だと午前中は自由なので、ガッツリ仕事をしているって感じではなかったですが、ちゃんと収入は手取り20万以上頂いていたので、かなり働きやすかったです。
出張や旅行にも同伴
普通に暮らしている健常者が、仕事で出張をしたり家族旅行や一人旅をするのと同じように、障害を持っている人も仕事によっては出張があったり、休みがあれば旅行をしたりします。
その出張中や旅行中に同行して介助をすることもありました。
その場合でも、基本は利用者一人に対して介護者は一人なので、普段だったら日勤や夜勤で勤務時間を分けるところを、24時間勤務で介助をしていました。(今はどうかわかりません)
当時はそれが当たり前だと思っていましたが、今思うと労働基準法的に大丈夫なのかなとは思います^^;
ただ、日勤分と夜勤分の時給をもらえて手当もつくので、一回の同行でかなりの額をいただけるお泊まり介助は、そんなに滅多にはなかったですけど、ラッキーだと思ってうれしかったです。
給与はどれくらい貰っていたか
正社員か、アルバイトかによって給与は異なりますが、時給制のアルバイトだった時は週5日でそのうち夜勤2回して月々手取り20万前後でした。
そこに出張や旅行のお泊まりが入ると、30万以上はいただいていました。
最初はアルバイトで入って、のちに準社員という、社員の一歩前のような形態で働きましたが、その時は給与が少し上がりボーナスが貰えるようになりました。
働く事業所によっても結構違うので、入社する前にしっかり確認しておきましょう。
利用者さんにはどんな方がいるのか
重度訪問介護を利用できる利用者さんは以下の条件に当てはまる方です。
『重度の肢体不自由または重度の知的障害、もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要する障害支援区分が4以上の方』
多くいらっしゃったのは以下のような重度の肢体障害を持っている方でした。
利用者さんの年齢は幅広く、男女ともに18歳~60歳以上の方まで様々いらっしゃいます。ちなみに、重訪は入浴から排泄まで全ての身体介護をするので、基本的には完全同性介助です。
私が当時担当していた5人の利用者さんは、若い方で30代前半、一番歳が上でも50歳前半の方でした。
障害も様々で、生まれた時から障害を持っている方もいれば、10代20代の若い時に交通事故や病気によって中途で障害を持った方もいらっしゃいます。
私が担当していた利用者さんは全員が親元を離れ、自分で部屋を借り自立して生活されている方々でした。なので、みなさん仕事をされ社会の一員として生活されていました。
なので、自分との違いは”障害のある無しだけ”だったので、利用者さんとの関係は、少し年上のお姉さんという感じでした。
悩み相談に乗ってもらったり恋愛の話をしたり、介助をしているというよりも、”サポーターとして側にいる”という感覚に近かったです。
実際に自分より何倍も多くの経験をしている方ばかりなので、教えてもらうことの方が多かったです。
重度訪問介護で働くメリット・デメリット
重訪の働き方は、普通の高齢者の介護施設とも違うし、高齢者の訪問介護とも違う働き方なので、高齢者の介護の経験がある方は、最初は戸惑うかもしれません。
また、介護士としてどんな働き方をしたいかによっては、向いている向いていないもあります。
私が実際に働いて感じた、働く上でのメリット・デメリットを出してみたので、参考にしてみてください。
重度訪問介護で働くのに向いている人・向いていない人
最後に、重度訪問介護という仕事に向いている人・向いていない人をご紹介します。
あくまで私の主観なので、参考程度にみてください。
まとめ
今回は「重度訪問介護の働き方や、メリット・デメリット」についてご紹介しました。
あまり聞き馴染みのない仕事ですが、少しでも興味があり、やってみたいと思っている人の役に立てれば幸いです。
私は、初めての介護職が重度訪問介護でしたが、ここで本当に多くのことを学ばせていただきました。辛かったことや、悲しかったことも沢山ありましたが、自分の成長につながった5年間でした。