【登録ヘルパー】訪問介護はどんな人に向いてる?主婦のスキマ時間や副業に!

こんにちは、介護福祉士のうまです。今日は、「訪問介護の仕事内容や、どんな人に向いているのか」についてご紹介していきます。

介護の仕事にはいろいろな現場があります。入所施設の「特別養護老人ホーム」有料老人ホーム」「サービス付高齢者向け住宅」や、通所施設である「デイサービス」「デイケアサービス」。そして在宅で介護をする「訪問介護」などがあります。

これらにはそれぞれ働き方の特徴があります。どのような働き方をしたいのか、どういった介護士になりたいのかによって勤める職場を選ぶといいと思います。

もし今介護士の資格を取得して、または取得しようと思っていて働く職場を選んでいるのでしたら、自分のやりたい介護の仕事はどんな内容なのかよく考えてみるといいと思いますけど。もしただ闇雲に給料や条件だけで選んでしまったら、現実と理想のギャップに苦しんでしまうかもしれません。

今回は、「訪問介護」にキーワードを絞って訪問介護の仕事内容や勤務形態、どんな人に向いているのかをみていきたいと思います。

訪問介護とは

厚生労働省の示す「訪問介護」の定義は以下のように書かれています。

「訪問介護」とは、訪問介護員等(※)が、利用者(要介護者等)の居宅を訪問し、入浴・排せつ・ 食事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。

※「訪問介護員等」 介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、 旧介護職員基礎研修修了者、旧訪問介護員1級又は旧2級課程修了者をいう。

厚生労働省ホームページより引用

訪問介護員の仕事は、あらかじめケアマネージャーとサービス提供責任者が作った「ケアプラン」をもとに自宅にいる利用者のもとへ訪問し介助を行います。

訪問介護員は自宅で暮らす利用者さんのもとへ直接伺い、「身体介助」「生活援助」などの介護を行い、その方がより豊かに暮らせるように専門的な知識と技術でサポートします。

訪問介護員の現状

訪問介護における就業形態では正規職員が全体の20.2%と大幅に少なく、非正規職員が77.1%でほぼ大半を占めています。また男女比においては、女性が9割ほどを占めています。

非正規社員が多いことや、女性が多いことには訪問介護員として働く中の特殊な勤務形態が関係していると思います。

訪問介護員の勤務形態

訪問介護の就業形態として、基本的に非常勤スタッフであるパートや登録ヘルパーが多いのが特徴です。主な正社員は「サービス提供責任者」です。訪問介護事業所の利用者数に対して配置する人数が決まっていて、一つの事業所には必ず一定数のサービス提供責任者が在中しています。

非常勤スタッフであるパートや登録ヘルパーは「時給制」で、正規職員であるサービス提供責任者は「月給制」、働き方や仕事内容は異なります。

(非常勤)登録ヘルパー

訪問介護は基本的に一件あたり1時間程度の訪問時間で、登録ヘルパーの場合一日何件介護に入るかは自分であらかじめ決めることができます。事業所によっては1日一件から勤務できるところもあり、自分の都合に合わせて空いた時間に働けるのが魅力です。

ただ、その反面正社員とは違い働いた時間分だけ支払われる時給制のため、一定の収入が保証されていないので安定性には欠けるところがあります。しかし登録ヘルパーの場合、別の事業所を掛け持ちすることができるので、何ヵ所か掛け持ちすることで収入をアップすることは可能です。

(正規職員)サービス提供責任者

主な仕事内容はヘルパー業務と、ケアマネージャーと利用者とヘルパーを橋渡しすることや、相談業務、調整や介護計画書の作成など事務作業も入ってきます。

「サービス提供責任者」は(旧)ヘルパー1級か実務者研修か介護福祉士のいずれかの資格を取得している人がなる事ができます。

また勤務時間も登録ヘルパーとは違い、フルタイム勤務になり給料も月給制になります。

登録ヘルパーの働き方

登録ヘルパーの大きな特徴として、「自由な時間に働く」ということができます。事業所によって違いますが、基本的に約1時間程度の訪問が終わって、次の訪問先がなければそのまま自宅へ帰宅できます。

1日何時間働きたいのか、どの時間帯に入りたいのか事業所と決めて、家事や育児の合間のスキマ時間にも働くことができます。

また一つの事業所だけではなく、複数の事業所を掛け持ちすることで効率よく訪問し、よりたくさんの収入を得ることもできます。

一日の仕事の流れの例

勤務したい時間帯や件数はあらかじめ事業所と相談をして決めます。以下の流れは例になり、午前中に一件訪問し、午後にも一件訪問し帰宅する1日の流れです。

事業所によっては1日の最後の訪問の後に事業所に寄って報告書を記入するところもありますが、おそらく多くの事業所では月に一回、末にまとめて介護報告書を事業所に提出します。

1件目訪問(午前)
  • AM10:00
    訪問

    体温測定、体調に変化はなかったかなど日常会話から聞き出す

  • AM10:15
    家事援助(調理)

    冷蔵庫の中を確認して、簡単に2.3品作る

  • AM10:40
    家事援助(掃除)

    ケアプランに沿って決められた場所のみ掃除

  • AM11:00
    介護記録を記入

    決められた介護記録書に記入

いったん帰宅して昼食、休憩。

2件目訪問(午後)
  • PM13:00
    訪問

    体温・血圧などのバイタルチェック(入浴できるか判断)

  • PM13:10
    入浴の準備

    湯船のお湯の温度確認、着替えやタオルを準備

  • PM13:15
    入浴・更衣介助

    ケアプランに沿って、必要な介助をする

  • PM14:00
    介護記録を記入

    決められた介護記録書に記入

帰宅

一週間の働き方の例

また曜日によっても訪問件数は変えられるので、月曜日は午前中だけで午後はお休みや、火曜日は午前中に2件して午後は夕方に一件など働き方はその人の、家庭や個人の事情で自由に決められます。

月曜火曜水曜木曜金曜土曜日曜
午前2件2件2件2件1件休み休み
午後休み1件2件休み2件休み休み

ただ、働きたいの時間帯に枠がない場合もあります。複数の事業所を登録することで、コンスタントに無駄なく働くこともできます。

訪問登録介護員に向いている人

  • 家事や育児の合間に仕事がしたい
  • 扶養内で働きたい
  • 自分の都合に合わせて自由に働きたい
  • 他の仕事と掛け持ちして働きたい

訪問登録介護員に向いていない人

  • しっかり安定した収入を得たい人
  • 介護士としてキャリアを積みたい人
  • チームプレイで介護をしたい人
  • 日勤夜勤などでがっつり働きたい人

おわりに

訪問介護は介護施設とは違い、周りに頼れる人がいないので基本的に一人で対応しなくてはいけません。介護士同士のチームワークで成り立つ施設とは違うので、介護経験が浅い人には不安があるかもしれません。

ただ、イレギュラーで対応しきれない状況が起きたときには担当のサービス責任者に電話で相談し、場合によっては駆けつけてもらうことができるので、一人で抱え込む必要はありません

実際に私も、登録ヘルパーを始めた当初はよく担当のサービス提供責任者に電話していました。

また、訪問介護は比較的要介護度が低い利用者さんも多いので、仕事内容が「家事援助」のみということもよくあります。そのため、介護技術を磨きたい方や、介護士としてキャリアを磨きたい方には向いていないかもしれません。

訪問介護の登録ヘルパーという働き方は普通の勤務形態とは違うため、その人によって向き不向きがあります。基本的には自由に働きたい人、家庭と両立したい人に向いていると思います。

また訪問介護の特徴として、利用者さんと一対一の関係で仕事をすることになります。今まで施設で働いていて時間や業務に追われたり、施設の介護士どうしの人間関係に疲弊することを経験してきた人にとっては、一対一でしっかり利用者さんと向き合えるので介護士としての満足感も感じられるかもしれません。

もし訪問介護の登録ヘルパーに興味を持ったらぜひ一度試して見てください。